BlueNRG-LPS

概要

BlueNRG-LPSは、超低消費電力のプログラマブルなBluetooth® Low Energy（Bluetooth LE）ワイヤレス･システム･オン･チップ（SoC）です。STの最先端2.4GHz無線IPを搭載し、超低消費電力と優れた無線性能を求めて最適化することにより、比類ないバッテリ寿命を実現しています。ポイント･ツー･ポイント･コネクティビティに対応したBluetooth® LE SIGコア仕様バージョン5.3とBluetooth® Meshネットワーキングに準拠しており、大規模なIoTネットワークを確実に構築できます。BlueNRG-LPSは、超低遅延アプリケーション向けの独自の2.4GHz無線通信にも適しています。

また、最大64MHzで動作するArm® Cortex®-M0+マイクロコントローラ、およびBluetooth® LEが必要とする重要なタイミング処理機能に対応したBlueNRGコア･コプロセッサ（DMAベース）が組み込まれています。

Bluetooth® LE 5.3仕様がサポートする主な特徴は以下のとおりです。

2Mbpsのデータ･レート、ロング･レンジ（Coded PHY）、アドバタイズ拡張機能、チャネル･セレクション･アルゴリズム#2、GATTキャッシュ、方向検知（AoA / AoD）、ハードウェアによる同時接続サポート、マスタ / スレーブと複数機能の同時接続サポート、パケット長拡張サポート、LE Pingプロシージャ、周期的アドバタイズと周期的アドバタイズ同期転送、LE電源制御および経路損失モニタリング。

また、BlueNRG-LPSは、以下の専用ハードウェア機能が搭載された高度なセキュリティ･ハードウェアを実現します。

真性乱数発生器（TRNG）、暗号化アルゴリズム（AES最大128bitセキュリティ･コプロセッサ）、公開鍵暗号処理アクセラレータ（PKA）、CRC演算ユニット、64bitユニークID、Flashメモリの書込み / 読込み保護機能。

公開鍵暗号処理の高速化（PKA）は、剰余サイズが最大で3136bitのべき剰余などのモジュラ演算、素体スカラ倍算楕円曲線、ECDSA署名、剰余サイズが最大521bitのCRC演算ユニットを使用したECDSA検証に対応しています。

BlueNRG-LPSは、スタンドアロンまたはネットワーク･プロセッサ･アプリケーションをサポートするよう設定可能です。スタンドアロン設定では、単体でアプリケーション･コードとBluetooth LEスタックの両方を管理することができます。

BlueNRG-LPSには、以下の高速で柔軟性の高いメモリが搭載されています。

192KB Flashメモリ、24KB RAM、1KB OTPメモリ、7KB ROM。

メモリ / ペリフェラル間およびメモリ間のダイレクト･データ転送は、DMAMUXペリフェラルによる完全で柔軟性の高いチャネル･マッピングが可能な8つのDMAチャネルにて行われます。

また、12bit A/Dコンバータが搭載されているため、最大8つの外部ソースおよびバッテリ･モニタリングや温度センサといった最大3つの内部ソースを測定可能です。

低消費電力RTCと3つの汎用16bitタイマも搭載されています。

BlueNRG-LPSは、以下の標準 / 高度の通信インタフェースを備えています。

SPI / I2S、LPUART、USART（ISO 7816スマートカード･モード / IrDA / Modbusモード対応）、I²C（SMBus / PMBus対応）。

動作温度範囲は-40℃～+105℃で、1.7V～3.6Vの電源で動作します。幅広い低消費電力モードを備えているため、低消費電力アプリケーションにも対応することができます。

BlueNRG-LPSには、高効率なSMPSステップダウン･コンバータと、VDDが1.65V未満に低下したときにデバイス･リセット動作を行うPDR回路が内蔵されています。

また、BlueNRG-LPSは、最大で20のI/Oをサポートする以下のパッケージで提供されます。

QFN32パッケージとWLCSP36パッケージ。