STの認定パートナーであるRtoneは、製品開発スタジオとして、インテリジェントなコネクテッド・ソリューションの研究、設計、量産前検証、生産、およびメンテナンス分野で顧客をサポートしています。

IoT分野専門のインテグレータであるRtoneは、組込みの機械学習のスキルを伸ばし、STのNanoEdge AI Studioツールに合わせた調整を行うことにより、エンジンやポンプでの異常検出のデモを迅速に開発しました。

このツールを使用すれば、データ・サイエンスに関する高度な知識がなくても、すぐに使用可能なMLモデルをガイドに従ってすばやく実装し、展開することができます。

アプローチ

STEVAL-STWINKT1Bで実行されるこのデモは、3軸加速度センサから振動異常を検出する機械学習モデルをベースとしています。振動は、次の2種類のアクチュエータによって発生します。

  • 可変アンバランスを生成できる磁化装置を搭載したエンジン。
  • タップでフローを制御するエア・ホースを備えたポンプ。


まず、エンジンを始動して、最初の学習フェーズを通常の動作条件で起動します。学習は、STM32L4R9マイクロコントローラでリアルタイムに実行され、これには50個の信号が含まれます。動作中のエンジンで故障シミュレーションを実行すると、異常がすぐに検出されます。

この構成は、ポンプにも適用されます。通常の動作条件で学習を行った後、生成される振動擾乱もまた、異常検出をトリガします。

モデルの学習を通じ、エンジンとポンプの両方が動作しているときに、それらの異常を検出することもできます。

センサ

3軸加速度センサ(参照:ISM330DHCX

データ

  • サンプリング周波数:3.3KHz
  • 分解能:2G
  • 軸数:3
  • 信号当たりの値の数:3*1024
  • サブ・データセット当たりの信号の数:2*300
  • サブ・データセットの数:10
  • 信号の合計数:6000

結果

  • 推論時間:7ms
  • Flash:3.7KB
  • RAM:12.2KB