ヘルスケア & ウェルネス市場は、家庭向けの健康サービスや患者ケア･サービスが新規にコネクテッド化されるに伴い需要が高まり、拡大しています。自動投薬デバイスからフィットネス愛好家向けの心拍数モニタに至る患者の遠隔監視システムが、患者、医療専門家、およびコンスーマの環境を拡充しています。
世界のウェアラブル医療機器市場は、年あたり33.1%（2021年～2026年）という指数関数的な割合で成長しており、2026年までに839億ドルに達すると予測されています。出典：BusinessWire 2021
ヘルスケア & ウェルネス業界は、広範なコネクテッド･デバイスを提供しています。ただし、業界はそれぞれ独自のソリューションを使用する多数の小規模から中規模のメーカが存在し非常に断片化されています。
相互運用性の問題を回避し、治療の質の向上を促進するために、ISOおよびNFCフォーラム標準化団体が、ISO/IEEE11073パーソナル･ヘルス･デバイス（PHD）やパーソナル･ヘルス･デバイス通信（PHDC）など一連の標準を提供しています。NFCを利用すれば、メーカは今まで以上に効率的で一貫性のある体験を生み出すことが可能になります。
コネクテッド･デバイスに関しては、インタフェースがユーザに迅速に使いやすい操作性を提供できるかどうかが鍵となります。近距離無線通信（NFC）を使用すると、健康関連の情報やサービスに素早く簡単にアクセスする機能を実現できます。ユーザは健康デバイスやウェルネス･デバイスを新しい方法で制御し、操作できます。
すでに多数の業界が、モバイル決済やアクセス制御など、日々の生活の中でのインタラクションを容易化する目的で、製品にNFCを組み込んでいます。ますます多くのスマートフォンがNFCを搭載するにつれ（2026年には70%超）、ヘルスケア & ウェルネス･ソリューションの設計者はNFCタグを安心して採用しやすくなります。患者、医療専門家、フィットネス愛好家は、タップするだけで患者や自分のデータにアクセスできます。
NFCは、リーダライタとタグとの間の非接触通信を可能にするワイヤレス･テクノロジーです。
ダイナミックNFCタグは、血糖値計、皮膚貼付けスマート･センサ（スキン･パッチ）、心拍数モニタなどの多様なデバイスに内蔵できる受動（そしてバッテリ不要の）電子部品です。ヘルスケア･デバイス内のマイコンとNFCリーダライタとの間に双方向のワイヤレス通信チャネルを提供します。
NFCリーダライタは、無線リンクを介してタグに電力を供給し、タグ内に保存されたデータを取得します。NFC対応のスマートフォン（AndroidとiOSの両方でフルサポートされている）をリーダライタとして使用することもできれば、保守作業用の専門家向けNFCリーダライタを使用することもできます。
直感的で便利なNFCテクノロジーは、医療アプリケーションに多くのメリットをもたらしています。NFCは、小型でコスト効率の高いエンド･アプリケーションを想定した複数のユース･ケースに対応できるワンチップICで実装できます。
次に2つの典型的な例を示します。
遠隔生体監視ソリューションは、個人の健康状態に対する貴重な洞察を提供します。生体情報モニタ･システムは、患者のバイタル･ヘルス･パラメータを記録して保存し、分析や治療用にデータを転送します。
NFC製品は、患者と医療機器の利用体験を全体的に簡素化し、向上させるために役立ちます。患者とヘルスケア･プロバイダは、スマートフォンをタップするだけで、日々の生活がより容易になります。
NFCフォーラムによって標準化された最大1WのNFCワイヤレス充電機能を使用して、補聴器やスマート･リングなどの小型バッテリ駆動デバイスを充電できます。
