不揮発性メモリでバッテリ駆動モジュールのバッテリ寿命をのばす方法

タブレット所持者

 

今日、バッテリ駆動デバイスはあらゆるところで使用されています。コンピュータから携帯電話まで、私たちは毎日スマートなエレクトロニクス製品を使用し、その高性能の恩恵にあずかることを期待しています。

バッテリの寿命を損なうことなく、スマート・デバイスの性能がエンド・ユーザの期待に確実に応えられるようにするには、どのような設計にすればよいでしょうか。高性能な製品を設計する場合、デバイスの電力消費に直接影響が及ぶため、どのメモリを選択するかはきわめて重要です。

これは特に、医療機器、スマート・メータ、環境センサなどの小型のバッテリ駆動モジュールの場合に当てはまります。これらの小型モジュールは、大量の電力消費を必要とするOTA(Over-The-Air)アップデートに対応することが求められるからです。こうした要件に対処するため、STでは、開発者向けに高密度ページEEPROMファミリをご用意しています。これにより、性能と超低消費電力の両立を実現しています。

ページEEPROM:小型のIoTモジュールに最適な、ピーク電流を抑える省電力設計

ページEEPROMは、電力効率が高い不揮発性メモリデバイス(NVM)で、柔軟性に優れた設計が可能であることから、市場要件に適切に対応できます。

バッテリ・オプションを拡張する広い電源範囲

適切なバッテリを選択すると、全体的なアプリケーション性能で差別化を実現できます。ページEEPROMでは、電源範囲が1.6V~3.6Vと幅広いことから、アプリケーションのニーズに最適なバッテリを選択できます。

サイズに制約のあるアプリケーションでの性能の向上

医療機器やセンサ・モジュールなどのバッテリ駆動モジュールは、電力に制限がある小型バッテリを採用しなければならないことがあります。ページEEPROMは、電流スパイクを3mA未満に制限し、出力バッファ駆動をトリミングするため、アプリケーションに対して総合的に電流ピークを制御できます。

4分の1
ページEEPROMの消費電流は、超低消費電力32Mbit NVMの 4分の1です。
500µAの電流と
1mA未満のピーク
ページEEPROMの消費電力は、 500µAの電流と1mA未満のピークを持つ4Mbitの EPROMにほぼ匹敵します。
読出し操作

低消費電力

ページEEPROMは、操作時にごく少量の電力しか必要としないため、アプリケーションの消費電力を低減できます。たとえば、ページ・プログラム命令は1.5mAを消費します。これは市販されている他の32Mbit NVMの5分の2の消費量です

プログラム操作

超低消費電力ページEEPROMは、補聴器やスマート・ウォッチなどの小型バッテリで駆動されるアプリケーションの要件に対応できます。しかし、長寿命のバッテリを実現するにはどうすればよいでしょうか。

「ジュール」とは、エネルギーの測定単位で、バッテリ残量を評価する際に使用されます(再充電までの期間)。印加された電圧、消費電流、時間を組み合わせた値となります。上記のプログラム操作例では、同じ操作をする場合、他の32Mbit NVMと比べて、ページEEPROMのエネルギー消費量は10分の1になります。実際、ページEEPROM製品に組み込まれているすべての操作は、省エネにつながります

消去操作

ブロック消去でのページEEPROMのエネルギー消費量は、他の32Mbit NVMの800分の1です。これは、超低消費電流と超高速の消去動作との組み合わせにより実現されます。

アイドル・モード時の消費電力の最適化

今日の消費電力が低いアプリケーションの大半は、短期間の集中的な動作の後、長いアイドル時間に入ります。ページEEPROMは、メモリがアクティブではない間、ディープ・パワー・モード消費電流を1µA未満に抑え、消費電力を節約して最適化できます。

低消費電力アプリケーションで高性能を発揮できるよう設計されたページEEPROMは、あらゆる種類のバッテリ駆動アプリケーションに対応しています。また、エネルギー消費を低減するため、NVM市場で最も消費電力が低い製品の1つとなっています。

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