STSPIN32G4

概要

STSPIN32G4は、3相ブラシレスDCモータ駆動用のきわめて集積度が高く柔軟性に優れたモータ･コントローラで、設計者が最適な駆動モードを選択したり、基板面積と全体的な部品数を削減したりするために役立ちます。1Aの電流容量（シンクおよびソース）でパワーMOSFETを駆動できる3相ハーフブリッジ･ゲート･ドライバを搭載しています。3つのブートストラップ･ダイオードも組み込まれています。内蔵のインターロック機能により、同一のハーフブリッジにおけるハイサイドおよびローサイド･スイッチが同時にHighになることはありません。内蔵のインターロック機能により、同一のハーフブリッジにおけるハイサイドおよびローサイド･スイッチが同時にHighになることはありません。もう1つの保護機能は、ハードウェアVDS監視回路です。これは6個の外部MOSFETそれぞれを常時監視し、そのいずれかで過電圧が検出された場合に、すべてのゲート･ドライバ出力をオフにします。過電圧しきい値は、専用のSCREFピンを使用して設定します。このデバイスは、唯一外部から供給されるモータ電源電圧（V_M）をはじめとして、必要なすべての電源電圧を生成できる柔軟性の高いパワー･マネージメント構造を組み込むことで、完全な自己供給を実現しています。パワーMOSFETを搭載したプログラム可能な内蔵の降圧レギュレータは、モータ電源電圧V_Mをはじめとして、ゲート･ドライバ向けに電源電圧を生成します。4つの差動V_CC出力値は、専用の設定レジスタを通じて8V（デフォルト値）、10V、12V、および15Vから選択できます。内蔵の高精度低ドロップアウト･リニア･レギュレータ（LDO）を使用して、REGIN入力電圧から3.3Vの電源電圧（V_REG3V3）を生成します。3.3Vの出力電圧により、ゲート･ドライバ･ロジックとマイクロコントローラの両方に給電します。このデバイスは、短絡、過負荷および低電圧状態から保護されています。降圧レギュレータとLDOレギュレータはどちらも、外部からV_CCおよびV_REG3V3電源電圧を提供することでバイパスできます。STSPIN32G4がSTANDBYモードの場合は、追加で超低静止電流レギュレータを使用して、総消費電流を15μA（標準）まで低減することができます。集積されたマイクロコントローラ（STM32G431VBx3）は、高性能32bit ARM® Cortex®-M4コアをベースとしており、最大170MHzの周波数で動作するとともに、単精度の浮動小数点ユニット（FPU）、フル･セットのDSP（デジタル信号処理）命令、およびアプリケーションのセキュリティを向上させるメモリ保護ユニット（MPU）を備えています。このマイクロコントローラは、2つの高速12bit A/Dコンバータ（4Msps）、4つのコンパレータ、3つのオペアンプ、4つのD/Aコンバータ･チャネル（外部x2、内部x2）、内部電圧リファレンス･バッファ、1つの汎用32bitタイマ、2つのモータ制御専用16bit PWMタイマ、7つの汎用16bitタイマ、1つの16bit低消費電力タイマなどの大変豊富な固有の機能セットを備えていることから、高度なモータ制御アプリケーション向けに最適です。また、高速メモリ（128KBのFlashメモリ、32KBのSRAM）に加え、最大40個利用可能なGPIO、数学関数加速ペリフェラル（三角関数にはCORDIC、フィルタ関数にはFMACユニット）、メイン･インタフェース（I2C、SPI、UARTおよびCAN）、幅広い省電力モード、さらにはA/Dコンバータ、D/Aコンバータ、オペアンプ、コンパレータ向けのアナログ独立電源入力などの保護メカニズムも搭載しています。このように機能が充実したマイクロコントローラは、非常に厳しいモーション制御アプリケーションにおいても、きわめて高性能なモータ制御アルゴリズムを実行し、最適な制御を選択することで、今までにない柔軟性を提供できます。ユーザはSTSPIN32G4をプログラムし、1～3つのシャント、最新の位置またはトルク制御アルゴリズム、従来の6ステップ制御モードを使用して、センサレスまたはセンサ付きのフィールド指向制御（FOC）を実行することができます。STSPIN32G4はまた、フル･セットの保護機能と広い動作温度範囲（-40℃～+125℃）を特徴としており、要件が非常に厳しい産業用アプリケーションにおいても安定した動作を保証します。SWDインタフェースとJTAGインタフェースの両方が、マイクロコントローラのファームウェア･プログラミングおよびデバッグ用に用意されています。最後に、外部3相ドライバ（STDRIVE101など）の追加により、2つの独立した3相BLDCモータをSTSPIN32G4から効率的に駆動し、従来にない部品数の削減とアプリケーションの最適化を実現することができます。