FD-SOI

完全空乏型シリコン・オン・インシュレータ

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ミックスド・シグナル・アプリケーション向け
独自ソリューション

STは、既存の製造手法をより多く活用した、革新的なシリコン・プロセス技術を開発しました。FD-SOI(完全空乏型シリコン・オン・インシュレータ)は、トランジスタ形状の微細化によるメリットを生かすとともに、製造プロセスを実質的に簡略化できるプレーナ型プロセス技術です。トランジスタの優れた静電制御と革新的なパワー・マネージメント技術により、低消費電力、RF、およびミリ波アプリケーションに最適な先進技術として高く評価されています。STは、車載アプリケーション向けに、高密度の組込み型相変化メモリ(PCM)と組み合わせた独自の提案も行っています。

FD-SOIのイノベーション

FD-SOIは、2つの革新的な技術をベースとしたプレーナ型のプロセス技術です。1つ目は、「埋込み酸化膜」と呼ばれる超薄膜絶縁層で、シリコン基板上に形成されます。


2つ目は、トランジスタ・チャネルが実装された超薄型シリコン膜です。このシリコン膜はきわめて薄く、チャネル・ドーピングが不要なため、トランジスタを完全空乏型にすることができます。


これら2つの技術を組み合わせたものが、UTBB FD-SOI(Ultra-Thin Body and Buried oxide:完全空乏型シリコン・オン・インシュレータ)と呼ばれています。

FD-SOIのイノベーション

FD-SOIは、2つの革新的な技術をベースとしたプレーナ型のプロセス技術です。1つ目は、「埋込み酸化膜」と呼ばれる超薄膜絶縁層で、シリコン基板上に形成されます。


2つ目は、トランジスタ・チャネルが実装された超薄型シリコン膜です。このシリコン膜はきわめて薄く、チャネル・ドーピングが不要なため、トランジスタを完全空乏型にすることができます。


これら2つの技術を組み合わせたものが、UTBB FD-SOI(Ultra-Thin Body and Buried oxide:完全空乏型シリコン・オン・インシュレータ)と呼ばれています。

バルクとFD-SOIの比較

BULK bulk-version-2 FD-SOI bulk-version-1

FD-SOIはその構造上、従来のバルク技術よりはるかに優れたトランジスタの静電特性を発揮することができます。


埋込み酸化層により、ソース / ドレイン間の寄生容量値が低減します。また、ソースからドレインに流れる電子を効率的に制御できるため、性能を低下させるリーク電流が大幅に低減します。

バルクとFD-SOIの比較

FD-SOIはその構造上、従来のバルク技術よりはるかに優れたトランジスタの静電特性を発揮することができます。


埋込み酸化層により、ソース / ドレイン間の寄生容量値が低減します。また、ソースからドレインに流れる電子を効率的に制御できるため、性能を低下させるリーク電流が大幅に低減します。

BULK bulk-version-2 FD-SOI bulk-version-1

FD-SOIによる効率的なトランジスタ制御

バルク技術では、トランジスタ形状の微細化に伴う寄生リーク電流と効率低下により、ボディ・バイアス効果が極端に限定されています。一方FD-SOI技術では、トランジスタの構造と超薄型絶縁層により、バイアスの効率が大幅に向上します。また、埋込み酸化膜が、より高いバイアス電圧の印加を可能にし、トランジスタの画期的な動的制御を実現します。

基板の分極がポジティブであるフォワード・ボディ・バイアス(FBB)では、トランジスタの高速スイッチングが可能です。

FBBは、性能と消費電力を最適化する上できわめて有効な手法です。
FBBは実装が簡単で、トランジスタの動作中に動的な調整ができるため、必要に応じた回路の高速化や、性能がそれほど要求されない場合の低消費電力化など、高い設計柔軟性を提供します。

幅広いアプリケーションにおける
卓越した電力効率

アナログ & RF設計におけるメリット

FD-SOIは、アナログ設計にさまざまなメリットを提供します。チャネルを完全に絶縁分離しているため、ゲート・キャパシタンスとリーク電流が低下し、全体的なラッチアップ耐性を実現します。さらに、完全空乏型トランジスタにはチャネル・ドーピングとポケット・インプラがないため、バルク技術と比べて低ノイズ / 高ゲイン(最大+15dB)が可能になります。

これにより、低消費電力かつ高性能であり、小型でシンプルなアナログ回路が実現できます。

優れた電力効率

優れた静電特性と誘電体絶縁を実現するFD-SOIは、主に2つのメリットを提供します。1つ目は、低電圧で高速動作を維持できる点です。2つ目は、ボディ・バイアスの効率が向上しているため、優れたチャネル制御や、待機時および動作時の消費電力を最適化することができます。

耐放射線性

FD-SOI技術は、超薄型ボディと埋込み酸化膜により、ビット・フリップやラッチアップといった放射線による誤動作に対し、優れた耐性を備えています。高性能なシステム・オン・チップの信頼性を高めるだけでなく、省スペース化(例:SRAM向けECC保護の簡略化)にも貢献します。

STは、FD-SOI技術本来のメリットに加え、耐放射線性ロジックICの設計技術を20年以上にわたり開発し続けています。放射線モデリング、設計、および試験に関する専門性を長年にわたり培ってきたSTは、セーフティ、ADAS、航空宇宙、産業、医療、ネットワーキングといった要件の厳しいアプリケーション向けに擬似耐性回路を提供することができます。

メモリに対するメリット

FD-SOIにSTの特許技術である「シングルウェル」ビットセル・アーキテクチャを組み合わせることで、SRAMのメモリ動作を大幅に改善することができます。これにより、従来のバルクSRAMと同等の性能を維持しつつ、低電圧かつ極めて低いリーク電流での動作が可能になります。

ePCMで効率を
さらに向上

ePCMで効率を
さらに向上

FD-SOI技術は、STの相変化メモリ(PCM)技術と組み合わせることで、最終アプリケーションにさらなるメリットを提供します。PCMは、高い電力効率、信頼性、耐放射線性を備えているため、FD-SOI技術を活用したPCMを組み込んだICは、車載産業、および航空宇宙アプリケーションにおけるきわめて厳しい要件にも対応可能です。

PCMの詳細はこちら

FD-SOI技術プラットフォーム

STは、28nm FD-SOIによる設計を幅広くサポートしており、
さまざまな主要設計ブロックを提供しています。

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