STM32WBA55CE

概要

STM32WBA5xxxは、マルチプロトコルに対応する超低消費電力のワイヤレスSoCです。Bluetooth^® Low Energy SIG仕様バージョン5.4に準拠した強力な超低消費電力無線機能を搭載しています。最大動作周波数は100MHzです。

本製品には、Bluetooth LEに対応した2.4GHz無線が内蔵されており、独自プロトコルを使用できます。

STM32WBA5xxxは、高性能なArm Cortex-M33 32bit RISCコアをベースにしており、単精度の浮動小数点ユニット（FPU）が搭載されており、Armの単精度データ処理命令およびデータ型をすべてサポートしています。また、このコアは、DSP（デジタル信号処理）命令のセットとメモリ保護ユニット（MPU）も備えているため、アプリケーション･セキュリティの強化に貢献します。

さらに、ハイスピード･メモリ（最大1MBのFlashメモリと最大128KBのSRAM）、広範な拡張I/O、そして32bitマルチAHBバス･マトリックス上のAHBおよびAPBバスに接続される各種ペリフェラルも組み込まれています。

本製品は、ArmによるTBSA（Trusted-based Security Architecture）要件に準拠したセキュリティ基盤を提供します。セキュア･ブート、安全なデータ保存、およびセキュア･ファームウェア更新を実行するために必要なセキュリティ機能が組み込まれています。さらに、顧客が本番稼働中にコードのプロビジョニングのセキュリティを確保できるセキュア･ファームウェア･インストール機能も組み込まれています。パスワードを使用した複数レベルの読出し保護とデバッグのロック解除により、柔軟性の高いライフ･サイクルを管理できます。

保護可能なペリフェラル、メモリ、およびI/Oや、ペリフェラルとメモリの特権設定により、ファームウェアとハードウェアを隔離できます。

内蔵のFlashメモリとSRAMは、いくつかの保護メカニズム、つまり読出し / 書込み保護、セキュア非表示保護領域の機能を備えています。

また、高速AESコプロセッサや、高速AESハードウェアにより共有できるDPA抵抗とHUK（Hardware Unique Key）を備えたセキュアなAESコプロセッサ、DPA抵抗付きPKA（公開鍵アクセラレータ）、HASHハードウェア･アクセラレータ、さらに真性乱数発生器といった、セキュリティを強化する各種ペリフェラルが組み込まれています。

攻撃を受けた場合、機密データを消去する内部モニタにより、アクティブ･タンパ検出と過渡摂動攻撃に対する保護を実現しています。これは、POSアプリケーションのPCI要件を満たすために役立ちます。

ハードウェア･セマフォは、ソフトウェア･プロセス間の同期を可能にします。

本製品は、1x 12bit ADC（2.5Msps）、2x コンパレータ、1x 低消費電力RTC、1x 32bit汎用タイマ、1x モータ制御用16bit PWMタイマ、3x 16bit汎用タイマ、および2x 16bit低消費電力タイマを提供します。また、標準および高度な通信インタフェースとして、2x I2C、2x SPI、1x SAI、2x USART、および1x 低消費電力UARTも備えています。機能セットは製品によって異なります。

動作温度範囲は-40℃～+105℃（接合部温度+120℃）で、1.71V～3.6Vの電源で動作します。

幅広い省電力モードにより、低消費電力アプリケーションを設計できます。

多くのペリフェラル（無線、通信、アナログ、およびタイマ･ペリフェラル）は、BAM（バックグラウンド自律モード）対応のため、ダイレクト･メモリ･アクセスによりSTOPモードで自律的に機能できます。

ADCおよびコンパレータ用のアナログ独立電源入力、2.4GHz無線専用の電源入力などの独立電源がサポートされています。

STM32WBA5xxxデバイスは、SMPS付きまたはSMPSなしの、最大59ピンの3種類のパッケージで提供されます。