BiCMOS

高性能RF IC用テクノロジー

ブロードバンド・データが急増し、関連する通信規格が進化する中、高性能デバイスが求められており、回路は複雑化する一方です。新たな高速データレート・サービスにより、光システムやワイヤレス・システムの動作周波数の向上が進む一方で、ICの高集積化、低消費電力化、コスト最適化が求められています。
また、車載用レーダー(24/77GHz)、衛星通信、LAN RFトランシーバ(60GHz)、ポイント・ツー・ポイント無線(V帯/E帯)、防衛、セキュリティ、計装などの新たなマイクロ波アプリケーションも、RF性能要件や動作条件が極めて厳しくなりつつあります。
こうした要求に対応するために、STはこれらのニーズに最適なソリューションを提供するBiCMOSテクノロジーに積極的に投資しています。

BiCMOS:2種類のプロセス技術

BiCMOSは、高周波アナログに重要な高速性と高ゲインを備えたバイポーラ・トランジスタと、シンプルで低消費電力のロジック・ゲートの構築に最適なCMOS技術という、2種類のプロセス技術の長所を1チップで実現します。
STのBiCMOS SiGe(シリコン・ゲルマニウム)技術は、RF部、アナログ部、およびデジタル部を1チップ化することにより、消費電力を最適化すると同時に、外付け部品点数を大幅に低減します。

bicmos-radio-receiver Typical cellular base station or point-to-point radio receiver
bicmos-optical-fiber Typical optical fiber and active optical cable module

STのBiCMOSプロセス技術は、集積度において大きな優位性をもたらすだけでなく、従来はガリウム・ヒ素(GaAS)などの高コストの技術でしか得られなかったレベルの性能をすでに達成しています。
BiCMOS HBT(Heterojunction Bipolar Transistor:ヘテロ接合バイポーラ・トランジスタ)は、特定の技術ノードにおいて、カットオフ周波数をバルクCMOSよりもはるかに高くすることができます。バルクCMOS設計で同等の周波数を実現するには、はるかに微細なプロセス・ノードを使用する必要があり、設計面で妥協を強いられるほか、多くの場合性能低下やコスト上昇につながります。
このように、代替技術と比較してコスト効率に優れたSTのBiCMOSを使用することで、新たなビジネス機会の創出が可能になります。

BiCMOSプロセス技術をリード

bicmos-process-technology

STは、設計、アーキテクチャ、プロセス統合に関する優れたノウハウを活用し、高性能RF ICの設計を実現する最先端のSiGe BiCMOSテクノロジーを提供しています。

現在、STのBiCMOS技術は、世界中のほぼ全ての無線基地局と光トランシーバに採用されている他、ワイヤレス・ターミナル、車載用レーダー、および計装装置にも利用されています。

最適な設計・製造能力

STのBiCMOS設計プラットフォームは、極めて正確なシミュレーション・モデルを含め、完全かつ効果的な設計フローと最先端CADツールによってサポートされています。その効果は、多くの顧客の成功事例によって実証されています。
STは、製造委託サービスから幅広いASIC設計・開発・サポートサービスまで、様々なビジネスモデルによるBiCMOS技術の提供に対応できます。この柔軟性により、お客様のあらゆるニーズに対応する最適なソリューションを提供することが可能です。
さらに、BiCMOSテクノロジーで開発される各種アナログ、RF、およびデジタルIPに関する豊富な経験により、お客様の製品設計の簡略化と製品開発期間の短縮に貢献します。