バラン・ロゴ

バランは、伝送ライン用トランスの一種です。この2つのポートから構成される部品は、差動で対称のRF機能ブロックをシングルエンド・ブロックに接続する際に、信号源と負荷の間に配置されます。

これらのトランスは、透磁率の高いコア基板上にストリップ・ラインを巻線状に配置することで作られています。巻線の高いインピーダンスにより、平衡出力端子は非平衡入力端子から絶縁されます。

バランを構築する最も容易な方法は、一方を接地し、もう一方をフローティング(差動)とする2巻線トランス・ベースで設計することです。バランは双方向で使用できるため、シングルエンドから平衡への変換、または平衡からシングルエンドへの変換を実行できます。

2巻線トランス・ベース・バラン設計

バランの主な特性パラメータとして、周波数範囲、バンド幅、挿入損失、強度非平衡、位相非平衡、直線性、歪み、および定格電力などがあります。サイズとコストも設計上重要な考慮事項です。

STのバランは、モノリシックRF IPDプロセスを使用して高品質RF受動部品を1枚のガラス基板に集積しています。STのRF IPDバランは、高集積度のRF回路を実現できるよう最適化されており、システムの性能を向上させます。また、RFICとアンテナの整合ネットワークと、内蔵された高調波フィルタの各回路を簡素化し、CCC、FCC、ETSI、およびARIBなどの主なEMC規格に準拠しています。

アプリケーション

STのRF IPDバランは、多くのアンテナとその給電ラインで使用されており、平衡ラインを非平衡ラインに変換します。バランには通常、インピーダンス整合回路が組み込まれているため、RF電力伝送を最適化して性能を最大化します。また、通常、フットプリントが非常に小さく、すべての機能を実現するのに1mm²未満の大きさで十分です。

STのRF IPDバランのアプリケーション例
ワイヤレス・コネクティビティ
  • ヒューマン・マシン・インタフェース
  • Sigfox
  • ZigBee
  • Bluetooth® Low Energy
  • LoRa
  • 802.15.4 OpenThread
  • Sub-GHz ISMバンド
  • WM-BUS

製品タイプ

    STの集積型バランには幅広い製品があり、以下のようなSub-GHzアプリケーション(433MHz)からBluetoothアプリケーション(2.5GHz)までのSTの最新の通信トランシーバ用コンパニオン・チップが含まれています。
  • 1.2mm²のフットプリントに集積されたSTのBlueNRG-1および新しいBlueNRG-2 Bluetooth® Low Energy 2.4GHz無線用BALF-NRG-02D3
  • STのS2-LP Sub-GHz RFトランシーバと併用できるよう設計されたBALF-SPI2-01D3(868-927MHz)および新しいBALF-SPI2-02D3(433-470MHz)
  • BALF-SPI2-01D3は、Sigfox無線コネクティビティに特化して調整されています。
  • BALFHB-WL-0xD3およびBALFLB-WL-0xD3はSTM32WLシリーズ向けに設計され最適化されています。

上記および他社製の各種トランシーバ向けに設計されたその他のバランは、RF回路の複雑性を大幅に軽減し、リンク・バジェットを最適化します。

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メリット

  • STのバランは、ソリューション設計を簡素化し、性能を最大化します。
  • STの高抵抗シリコン基板への受動素子集積技術によりシステムの集積度が向上します。
  • 信頼性が高まるだけでなく、代替の対象となるディスクリート・ソリューションに比べ、部品コストが大幅に削減されます。
STのRF IPDテクノロジーのメリット

特徴

ワイヤレスIC用STのコンパニオン・チップ:RF IPD

SPIRITのコンパニオン・チップ

STM32WLのコンパニオン・チップ

STM32WBおよびBLUENRGのコンパニオン・チップ