STM32F730およびSTM32F750バリュー・ラインは、Arm® Cortex®-M7コア(最大216MHz、浮動小数点演算ユニット搭載)の性能を、内蔵Flashメモリを必要最小限に抑えることで、高いコスト・パフォーマンスを実現しました。STM32F7x0バリュー・ラインは、STM32F7シリーズの中でエントリー・クラス製品として提供されます。
性能
最大動作周波数216MHzでの実行時に、1082CoreMark/462DMIPSの性能を発揮し(Flashメモリからの命令実行、STのART Acceleratorによるゼロ・ウェイト・ステート命令実行時)、FPUとDSP命令により、アプリケーションの幅を広げます。L1キャッシュ(Iキャッシュ最大8KB+Dキャッシュ最大8KB)により、外部メモリからも性能を落とすことなく命令を実行することができます。
高い電力効率
ST独自の90nmプロセス、ART Accelerator™、およびダイナミック・パワー・スケーリングにより、Flashメモリからのコード実行時(RUNモード)の消費電力は1.8Vでわずか7CoreMark/mWです。
STOPモードの消費電力は、通常は100µAです。
最大+125˚C(Ta)の広範な動作温度範囲は、周辺温度が上がってもコアおよびペリフェラルの性能をすべて活用できます。
グラフィック
STM32F750ラインには2レイヤ・サポートを備えたLCD-TFTコントローラ・インタフェースと、Chrom‑ART Accelerator™(グラフィック・アクセラレータ)を搭載しています。このグラフィック・アクセラレータは、CPU処理の2倍の速度でグラフィックス・コンテンツを処理し、効率的な2D画像データのコピーのほか、画像フォーマット変換や画像ブレンディング(半透過レベルでの画像ミキシング)などの追加機能をサポートします。グラフィックス・コンテンツの描画能力をChrom-ART Acceleratorへオフロードすることにより、CPUのリソースを他のアプリケーションに割り振ることができます。
搭載機能
オーディオ: 専用オーディオPLL (2 PLL)、半二重I²Sインタフェース(3ch)、および時分割多重(TDM)モードをサポートする新しいシリアル・オーディオ・インタフェース(SAI)
通信インタフェース(最大25ch): UART(最大12.5Mbit/s、4ch)、USART(最大12.5Mbit/s、4ch)、SPI(最大50Mbit/s、最大6ch)、新しいオプションのデジタル・フィルタ機能搭載I²Cインタフェース(最大4ch)、CANコントローラ(最大2ch)、SDMMC(最大2ch)、USB 2.0フルスピード・デバイス/ホスト/OTGコントローラ(オプションのオンチップPHY内蔵)、USB 2.0ハイスピード/フルスピード・デバイス/ホスト/OTGコントローラ(オンチップ・ハイスピードPHY内蔵)、オプションのS/PDIF入力、およびオプションのHDMI-CEC
アナログ: 2 x 12bit DAC、3 x 12bit ADC(最高2.4Mサンプル/sまたはインタリーブ・モードで7.2Mサンプル/s)
最大216MHzで動作する最大18個の16bit/32bitタイマ
32bitパラレル・インタフェースを備えたフレキシブル・メモリ・コントローラを使用して、容易に外部メモリを拡張可能。SDRAM、SRAM、PSRAM、NOR、NAND、およびCompact Flashの各種メモリをサポート。また、デュアル・モードQuad-SPI Flashメモリ・インタフェースを使用して、外部シリアルFlashメモリからコードを実行することも可能。
アナログ式真乱数発成器。
セキュリティ
STM32F7x0ラインは、ST独自のコード読み出し保護機能を備え、暗号化プロセッサを統合してAES128およびAES256の暗号化のハードウェア・アクセラレーションを実現します。
STM32F7x0ラインは、AES128、AES192、AES256暗号化(GCMとCCMをサポート)、Triple DES、およびハッシュ(MD5、SHA-1、SHA-2)アルゴリズムでハードウェア処理を実現するハードウェア暗号化エンジンを搭載しています。
STM32F7x0バリュー・ラインは、LQFP-64、LQFP-100、LQFP-144、UFBGA-176、およびTFBGA-216のパッケージで提供され、64KBのFlashメモリと320KBのSRAM(最大64KBのデータTCM(DTCM)、16KBの命令TCM(ITCM)、および4KBのバックアップRAMを含む) を搭載しています。